・今日のランチは肉料理だったから野菜ジュースを飲んでおこう
・最近ビタミン不足だからフルーツジュースを飲もう
そんな考えで毎日野菜果物ジュースを飲んでませんか?
栄養バランスを気にする思いは尊いのですが、野菜ジュースさえ飲めば栄養不足を補えるというのは大いなる誤解!
今回は、野菜ジュースはからだにいい!というあなたの思い込みを見直すべきポイントをお話しますね。
野菜ジュースでは栄養を補えないワケ
巷に出ている野菜ジュースのパッケージにはよく
「◯◯種類の野菜が摂れる」
「1日分のビタミンが摂れる」
と謳っていますが、必ずしもその栄養素がきちんと吸収重要な栄養素が壊れてしまっている
その大きな理由を2つ説明しましょう。
1. 重要な栄養素が壊れてしまっている
野菜や果物には、もちろんからだに良い栄養がたくさんあります。
しかし、それがジュースにした途端打ち消されているんですね。
『1日分の野菜を使用』とあるのは1日分の量をつかったということですが、製造工程で加熱処理をしているので野菜本来のビタミンや食物繊維を摂るのは難しいでしょう。
特に問題なのが【食物繊維】が失われていること。
そのままで食べれば食物繊維は糖分の吸収を和らげてくれるのに、ジュースだと吸収効率が一気に高まり食後高血糖につながってしまいます!
2. 飲めば飲むほど糖尿病リスクが高まる
私たちが口から食べたものが胃に入ると、炭水化物なら3時間、脂肪なら7時間かけて消化されます。
そして消化されドロドロになったら腸に送られて、ゆっくりからだに吸収されていきます。
ところがジュースの様な液体は胃を通り越し一気に腸に入りますから、糖質が高い飲料だと砂糖の塊を取り込んでいるのと同様なんですね!
その結果、血糖値が急上昇し血管が傷つき、やがて硬くなってしまいます。
またからだは血糖値をコントロールするためすぐに膵臓(すいぞう)から大量のインスリンを分泌します。
つまり、
野菜ジュース・果物ジュースを飲むたび膵臓は疲弊する→必要な時にインスリンが出ない→糖尿病になる
という皮肉な結果が生まれてしまいがちなんですね。
ジュースは太りやすい
さらにこんな報告もあります。
■飲み物で糖分を摂るとレプチンという食欲抑制ホルモンが分泌しづらく、満足感が得にくい。
■果物を食べている人ほど体重が減少する一方で、果物ジュースを飲む人ほど体重が増加している傾向が見られる。
つまり、こんな悪循環が起きているワケです!
ジュースで血糖値が急上昇→大量のインスリンが出る→血糖値が急降下し空腹感が起きる→食欲がより強くなりドカ食いしてしまう
野菜ジュースを飲む≠野菜を食べる
ジュースでは【噛む】行為がなく、消化吸収にも影響がでます。
ゆっくり噛んで食べると口から胃、そして腸へとゆっくりからだに吸収されます。
また食物繊維も十分含まれているので血糖値が緩やかに上昇し、健康美容にたくさんの良い効果が期待できます。
野菜果物ジュースにはほぼビタミンC等栄養素が添加されていますが、それらがどの程度からだに吸収されるかは正確には不明です。
けれどもそれよりも注目すべきは、血糖値が急上昇したり病気へのリスクを高めたりしていることです。
日本人の食性こそ大事に!
とかく【栄養バランス】というコトバに囚われがちな私たち。
野菜不足=栄養不足=不健康という方程式はこの際忘れましょう!
私たち日本人の歯の数から分かる食性では、
穀物:野菜・海藻類:魚・肉を
5:2:1の割合。
このバランスでの食事は、ごはんと具沢山の味噌汁が中心。
昔からの和食の知恵で、ぜひからだや心の土台を整えましょう♪
さいごに
市販の野菜ジュースがよくないなら、新鮮な野菜でつくるスムージーは?
という声も聞こえてきそうですが。
スムージーも腸へとダイレクトに届いて吸収されるのは同様。
最近生野菜でアレルギー反応を起こす人が増えているという現象からも、ムリがあるのは明らかだと感じますね。
からだも心もおいしく満たされるのは、時間とともに味わうこと。
効率よく栄養を摂るという考えがじつは負担になっている可能性があるというのを、頭の片隅に置いておいてくださいね!
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