「年を重ねると和食がいちばんホッとする」
という声をよく聞きますが。
私もそんな例に漏れず、
やっぱり和食がいいね!と実感します。
それはいろんな料理を学び実践してきた上で
和食が一番からだが喜んで
おいしいなとしみじみ感じるから。
そして、
それを科学的に裏付ける研究もしっかりとあるんですね!
今回は、そんな食文化や最新の研究から見た和食について、お話しますね。
海外からの注目度が高い「和食」
日本は現在世界一の長寿の国であり、
その秘訣が「ヘルシーな」和食にあるんじゃないかと注目され。
2019年時点で海外にある日本食レストランはなんと!
約15万軒もあるそうです。
じゃあ和食を食べたら誰でも長生きできるのかというと、
それはちょっと違うんですね。
なぜなら、
世界各地の伝統的な食生活は、
本来その土地に暮らす人の体をつくり、
健康を守るために発展したものだからです。
受け継いできた遺伝子と生活習慣や気候風土の影響から、
世界の人はそれぞれ異なる体質を身につけました。
日本人と欧米人の体質の違い
たとえば、日本人と欧米人の違いを見てみましょう。
内臓では、日本人の腸は欧米人よりも長い
というのは聞いたことがあるでしょう。
あと、胃の形も日本人は縦長です。
これは、主食の違いにあります。
日本人の主食である穀物はすぐれたエネルギー源であるものの、
食物繊維が多いので消化に時間がかかります。
そのため、胃で溜め十分に砕いてから
腸に送り出すようになりました。
そして、腸には穀物の消化に役立つ
腸内細菌がたくさんいて、
栄養をしっかり引き出せます。
日本人を守っている酵素
日本は島国という地形の特徴もあって
他の国と遺伝的に混じりあう機会も少なく、
独自の文化や生活を育んできました。
その中で日本人特有の体質も作り上げられています。
その一つが、海藻をよく食べる食事であること。
水生植物である海苔やワカメの
多糖類を分解する酵素遺伝子は、
日本人には約90%あるのに対し、
他の国では多くて15%くらいでした。
そして、コロナ禍において
日本ではパンデミックにならずに済んだのは、
この酵素遺伝子をもっているおかげだという
研究成果も出てましたね。
「和食」のイメージって?
「和食」は2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。
そもそも、和食ってなんでしょうか?
肉じゃがコロッケ、ハンバーグのような
洋食メニューを挙げる人は多くいるでしょう。
それらは実は、明治以降に登場したモノ。
江戸時代はごはんとお味噌汁
プラスおかずか香の物というメニューが
庶民の食卓でした。
それが幕末を経て開国とともに西欧諸国が押し寄せ、
体格がよく強そうな西洋人を目の当たりにした政府が
国家的な課題として打ち出したのが「富国強兵」の思想。
西洋人と肩を並べるために
なによりも重視すべきは、
強壮な身体作りだと考えました。
そこで肉食や乳製品を中心とした西洋の食事を学ぼうと、
日本の食卓に大変革が起きたんです。
食の欧米化がもたらした弊害
日本人の体質で最大の弱点は、
おなかに内臓脂肪がつきやすいことです。
内臓脂肪は悪い物質をつくり
高血圧や糖尿病、脳梗塞や心筋梗塞など生活習慣病全般の原因となり、
さらにがんや認知症の発生も引き起こしやすくなります。
食の欧米化が進み、
肉や卵、乳製品や油を多くつかう食生活は、
体形では欧米人に近づけたにしても、内臓脂肪が溜まりやすくなり、
昔は少なかった病気が増えてしまったんですね。
伝統的な和食が一番合う!
最近では人種による体質の違いの研究が進み、
日本人の標準的な遺伝子配列が解明されました。
そこから分かったのが、
魚と大豆を多く食べ、
穀物と野菜、海藻から食物繊維をしっかりと摂る
日本の伝統的な食事は、内臓脂肪を増やしにくいということ。
昔の人たちは理屈はわからなくても、
穀物と野菜中心の食生活が
自分たちには合っているのを感じていて、
大切に受け継いできたんでしょうね。
さいごに
私たちは今、
日本にいながら世界各国の料理が楽しめます。
それもある面素晴らしいことでしょう。
しかし、
多国籍の料理をいただくようになってからの時間は、
たった数百年。
私たちが長年育んできた体質が
変わるレベルではありません。
今回お話したように、
歴史的に見ても遺伝子的に見ても、
伝統食の和食が一番体に合うんだ!というのを心に刻み、
日ごろのおうちごはんも和食中心にして整えましょうね♪
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