「映える」料理写真ばかり見ていると、自分の料理に自信がなくなってくる。
そんなお悩みありませんか?
キレイな盛り付け、何品もの凝った料理をズラリと並べる努力もさることながら。
本当にあなたが好きなお気に入りの器を、日常に取り入れることが重要です。
今回は、私たち日本人がずっと食べている和食と器の関係から、あなたの食生活を豊かにするヒントをお話します。
器を持って食べる文化
和食は、器を手に持って食べる珍しいマナーがあります。
どうしてそうなったのかと言えば、ひと昔前につかっていたお膳にあるようです。
お膳は高さがありません。
一般庶民の住宅事情では寝起きしたりくつろいだり食べたりするスペースがすべて同じであったので。
お膳は重ねてしまえるコンパクトさや、畳を傷めないよう長く置かずにすむ利点があったからだといいます。
だから、ごはん茶碗や汁物のお椀はお膳から器を持ち上げないとこぼしてしまうので自然にできた決まりだったんですね。
同じくお箸文化である韓国では逆に、器を持ち上げるのはマナー違反。
これも生活様式や食文化の違いですね。
自分専用の食器があること
そんな手で持つお茶碗や湯呑は、自分専用のものを持つのも日本ならではの独自スタイル。
毎日食事でつかう器が自分のものだと、ていねいに大事に使うようになる躾にもつながっていて、ステキなことですよね。
温かさの効果
アメリカのコロラド大学とエール大学での共同研究によると。
41人の被験者に温かいコーヒー、または冷たいコーヒーを持たせた後、質問用紙に書かれた人物についての評価をしてもらいました。
コーヒーを飲むとカフェイン摂取など個体差が出るため、あくまでも触るだけという条件下で行われました。
その結果、温かいコーヒーを持っていた人のほうが、その人物に対して好意的な印象を述べ、「やさしい」「配慮がある」といった文字通り゛温かい゛評価をする傾向があったそうです。
和食のもたらす温かさ
和食だとじかに器を持ち、お料理の温かさが手に伝わりますから、他のメニューよりもさらに温かい気持ちになります。
つまり、ごはんやお味噌汁といった温かさを伝える和食は、からだだけでなく心も温め、同席する人との絆も深める役割を果たしているんですね。
温かい器と出逢うには?
器選びも、お料理の一部です。
いつも手に取る器がお気に入りの大切なモノであれば、つくったお料理をよそうのも楽しくなりますし、口にしてもよりおいしさが感じられます。
お茶碗や湯呑、マグカップといったじかに口をつけていただく器こそ、ぜひ本当に好きなモノを選んでいただきたいですね。
私が今もつかっているお茶碗は、もう30年くらい前に購入した沖縄の焼き物。
大事に毎日つかっています。
あなたも旅先や雑貨やさんで実際に手に取って触感をしっかり確認して買うと、きっと長年つき合える相棒と出逢えますよ♪
さいごに
家事のなかでもお料理は、複雑に考えがち。
飾らないシンプルな和食メニュー、ごはんとお味噌汁を中心にした食事を続ければ、からだも心も自然に安らぎ温まります。
そんな幸せを運んでくれるいつものごはんに、温かい器の支えもあれば。
いつも元気に満ち溢れる豊かな食卓になります。
日本各地には様々な個性ある焼き物があります。
私が住む栃木だと有名なのが、益子焼。
春と秋は陶器市が各地で立つ時期でもあるので、ぜひ出かけて見ていろんな器と触れ合ってくださいね。
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