私が今を生きる上で大切にしているのは、食です。
人を良くすると書く食ですが、良くするのも悪くするのも自分次第だからです。
私がずっと作り続けているおむすびには、忘れられない想い出があります。
今回はそのお話をさせていただきます。
初女さんとつくった最初のおむすび
20代半ばからオーガニックレストランに勤め、毎日体にいい食生活をしていたにも関わらずアトピー性皮膚炎が悪化。
これからどうすればいいの?と悩んだ末に思い出したのが、
ていねいに心を込めたお料理で人を癒す活動をされていた、佐藤初女さんでした。
タイミングよく初女さんと一緒に食を考えるフードプログラムに参加でき、真っ先にみんなで習ったのが初女さんのおむすびでした。
作る様子をじっと見守り、自分たちでもそれぞれ作りましたが、
私はあまりにも生理痛がひどくて立っていられず、おむすびを食べる前に休むことになりました。
おむすびパワーが凄すぎた!
痛みが落ち着きみんなが集まる部屋に戻ると、
「よかったら、おむすびをとっておいたので召し上がりませんか?」とスタッフの方が声をかけてくださり、ありがたくいただきました。
そしておむすびをひとくち口にした途端、じんわりとやさしく、温かいなにかが体にしみこんでいくのが分かり。
ゆっくりと味わううちに、グッタリしていた体が元気になっていきました。
本音をいえば、初女さんが手ずから握ったおむすびを食べて癒されたいという期待がありました。
しかし、誰の手かはわからないおむすびから得たパワーが凄すぎて!衝撃的でした。
誰もが癒し手になれる
3日間のフードプログラムでは、初女さんからじかにお料理を教わったり、参加者たちで創意工夫してつくったりと、料理して食べるくり返しでした。
なごやかに語り合い、笑みがあふれる豊かな時間をともに過ごすうちに、それぞれに深い気づきや、癒されるきっかけがあったんだと思います。
最後の晩のクリスマスパーティーメニューはここでしか生まれなかった素晴らしい出来栄えで、言葉にならない至福の味にただ、打ちのめされて。
素材にまっすぐ向き合い、心を込めたら、特別な人でなくても癒される料理が生まれる。
という事実に、ただ感動しました。
おむすびからいただく力
この体験は宝物であり、決して忘れてはならない!と強く感じた私は、おむすびをとにかく毎日作ろうと決めました。
そして、初女さんから教わった作り方をベースに、おむすびに最適なごはんの炊き方を追究し、旬野菜を具にいれる工夫を重ねていき。
ストレスフルな職場にいてもお昼に自分でつくったおむすびを食べて、
心も体もしっかり回復させ頑張ることができました。
おむすびを食べる姿に思うこと
「ごはんがおいしい」
「ちょうどいい塩加減!」
「食べるとホッとする」
私のおむすびを食べた人からよく伺う感想です。
おむすびをいただく時にはみな、おむすびを両手を胸のあたりに持ちながら、ひと口ずつゆっくりと噛みしめていて。
その姿はどこか、祈る姿に似ています。
手と手を合わせると、自然にその中心に意識が向かいます。
だから、おむすびをいただく間は自然に自分と対話するようになる。
この丸いおむすびが愛される秘密は、そんなところにあるんじゃないかなって思います。
体と心を想うごはんづくり
タバコと野菜ジュースを一緒に買ったり
サラダに添加物たっぷりのドレッシングをかけて食べたりする人の姿を見ると。
情報や知識がゆがんだカタチでしみ込んでしまい、ちぐはぐな食べ方をしているなあと、悲しくなります。
もちろん、知ることは大事です。
けれども、体や心が本当に求めているのは、生きる喜びや幸せに満たされるおいしさです。
そんな体と心を想うごはんを、もっと気軽に、気楽につくっていける毎日が送れるように。
これからも私は、頑張る女性の土台となる、一生モノのごはんづくりをサポートしていきます❤
さいごに
私が最初に読んだ初女さんの本のタイトルは「おむすびの祈り」
これはまさに、初女さんの生きざまをしめす言葉だと思います。
私は今も変わらず毎日おむすびをつくっていますが、1日として同じおむすびにはならない所に、奥深さを感じますね。
これからも自分のために、これから出逢う人のために、
一つひとつ丁寧に、おむすびを結んでいきます。
コメント